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2007年9月22日 (土)

改革の本丸の農業問題が面白くなってきた

民主党の農家へのバラマキ「戸別所得補償」の効果は絶大だったようです。

農業経済学者の神門善久氏(ごうど よしひさ明治学院大学教授)によると、これは農家が自民党にプレッシャーを掛けた結果だと言います。

ただし、農家が望んでいるのは所得補償のようなちっぽけなお金ではなく公共事業で自分の田んぼが高く売れることです。

公共事業を減らし続ける自民党に揺さぶりを掛けているのです。

マスコミや民主党が「零細農家、切り捨て」などと格差問題にしていることについては、「お涙頂戴ストーリーなんてちゃんちゃらおかしい」と言い切ります。

農家ほど優遇されている既得権益者はいないし、農業に行き詰って一家心中した話などないと。

何故なら日本の農家のほとんどは兼業農家で農業収入に頼っている人などいない。ほとんどが「農地持ちのサラリーマン」なのです。

実際、農家も公共事業が欲しいとは直接言わない。

基盤整備事業や土地改良など公費を彼らの私有地に投入して、整ったところでそれを売却する錬金術体制ができているのです。

政治家も使い捨てる「おねだり農民」に成り下がっているというのです。

コメ自由化を議論したウルグアイ・ラウンドでは94年に対策費と称して6兆100億円もの特別農業予算組み、ほとんどが役に立たない施設造りに使ってしまいました。

公共事業だろうが戸別補償だろうが何をやっても農業強化にはならず、ムダに使っているだけなのです。

このように、農水省、農協、族議員、農家の利権だけの話なのです。

EPAやFTAでも農林族はウルグアイ・ラウンドの2回戦としてがんばっています。

農家の関心は「外国人就農問題」です。中国からの研修生を正規労働者として使いたいのです。

これは実質的に単純労働の移民の受け入れということです。

これは農業問題のタブーだそうで、神門先生は農業経済学会で過敏に反応されているそうです。

農業は、医療、教育、福祉、司法など日本で改革の遅れた生産性の低い分野の筆頭です。聖域なんですね。

農業保護と優遇策については、80年代あたりから経済学者などから批判が出ていました。

でも「現実を知らない」「都会の人の考え」「地方は死ねということか」「農民をいじめるとしっぺ返しが」・・・などと軽くはねのけられてしまっています。

何せ、農業は自民の大集票田ですから。

格差問題なんと農業保護の話に摩り替えることくらい簡単なんです。

神門先生はめずらしくまともなことを言ってくれます。

学会や研究に支障がないか、大丈夫なのかと心配になります。

ご著書は「日本の食と農 危機の本質」(NTT出版)です。

農業関係者、農業経済学者でここまで言った人はいなかった。

稀有の人。がんばって。

一方、昨日の朝日新聞の鈴木宣弘東大教授の「農村を活性化せよ」は小規模農家でもいきいき暮らせる農村を目指せ、というしょうもない提言。

「街に活気がないので、まずい食堂も生き残れる商店街をつくろう」と言っているのに等しい。

農業経済学者ってこの程度の人たち。ただし、鈴木さんは元農水官僚だからいい案を望んでもムダ。

農業問題は緊急事態の政策ではないのであまり話題になりません。でも僕はここに日本の問題が潜んでいると思っています。

政権交代でここに切り込むことができると思ったら、逆に民主党が保護策を出すとは。

やはり小沢は政権だけが目的ということがハッキリして、かつての自由主義からの変わり身にがっかりです。

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