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2008年9月 3日 (水)

「北北西に進路をとれ」の原題のナゾ

ヒッチコックの「北北西に進路を取れ」を観ました。

1959年MGM制作。

主演はケーリー・グラント。当時のビジネスマンはおしゃれだよね。

原題は「North by Northwest」。

僕は当然に「ノースウェスト機で北へ」という意味だと思いました。

これがどうして北北西というタイトルになるのか?

北北西なら north-northwest のはず。

northwest by north なら北西と北北西の間という意味。

north by west は北と北北西の間。

もちろんこのタイトルの翻訳は誤訳ということはわかっています。有名です。

でも原題すらも意味がわからない。

映画のストーリーはニューヨークから鉄道でシカゴへ。

シカゴからはたしかにNorthwest機でラピッド・シティ(サウスダコタ州)へ飛んでいる。

でもラピッド・シティはシカゴの西北西にあるんだよなあ。

まあだいたいアメリカの北部だからいいということもある。

ヒッチコックはハムレットの「I am but mad north-by north-west.」から取ったといったり、「間違うほど主人公が混乱した」 とも言ったらしい。

タイトルには「In a Northwesterly Direction(北西の方角)」など様々なタイトルが提案されたのこと。

ヒッチコックはこのタイトルを気に入っていなかったようですが、映画の内容に深いつながりはないと明言している。

やっぱりMGMとNorthwest社のタイアップがあったんじゃないかなあ。

Northwest航空は北西部とは言えないミネソタ州イーガンにあります。

1926年の創業時に北部シカゴと中西部ミネアポリスを結ぶ定期便だったのでつけられたそうです。

戦後は日本航空の運航を代行していました。

ハブ港はミネアポリスとデトロイトで気候の厳しい地域なので技量さから他社のパイロットから「(迷ったら)赤い尾翼を追え」(Follow the red tail.) 」と尊敬されていたくらい。

1950年にニューヨーク発の2501便が消息を絶ち、ミシガン湖に墜落して58名全員が死亡しました。

この事故のナゾは機体が発見されなかったこと。

きっとこのニュースはアメリカ人に強烈な事件として記憶に残ったのでしょう。

アメリカ人に北へ飛行機で行くということに、錯綜、消息不明、恐怖、死亡、ナゾといった印象を持たせたのではないかな。

映画のスポンサーは確認できなかったけど、漠然とした北へ行く恐怖のほうが近いのではないかなあ。

そうするとNorthwest社にとってはネガティブなイメージを使われたということになりますが。

それから、1952年には日本航空からNorthwestに運航委託された羽田発のもく星号が三原山に墜落して37名全員が死亡しています。

ちなみにミシガン州にある非営利団体が今でも2501便の機体を探しているそうです。

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