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2008年10月 1日 (水)

ポピュリズムという言葉の意味

たとえば、野中弘務が小泉純一郎を批判するとき「あれはポピュリズムだ」のように使うことがあります。

大衆迎合主義、人気取り、パフォーマンス過剰、人気に乗じた独裁的手法などを意味していると思います。

悪い意味で批判に使われています。

もちろんポピュラーから派生しているので人気のない野中などが嫌うのもわからんでもない。

そもそもポピュリズムとは何なのか。

否定的な意味なのか。

本当に前に書いたような意味なのか、アメリカでもそういう使い方しているのかとふと疑問に思う。

実際、アメリカにおいてもあいまいに使われていて、広告コピーではむしろ肯定的な意味を持っているらしい。

HPのプリンター「ポピュリスト」は大衆向けの完成された製品。

もちろん保守でもリベラルな人でも使える。

バナナリパブリックはポピュリストのパンツを売り出した。

100%コットンで草の根的な繊細さとシンプルな勤労者の感性を意識して。

このように日常の言葉としてのポピュリズムには肯定的な面もあるのです。

この否定と肯定の両義性については、渡辺将人「見えないアメリカ」講談社現代新書でわかりました。

このブログはこの本を参考にしています。

もちろん日常で使われいる言葉と政治や政治学の使われ方は違うんですけど。

もともと19世紀末の平等主義に支えられた独占企業に対する農民運動で、民衆の反発を使う政治モデルのことを狭義のポピュリズムというそうです。

これは反ニューデール政策にも現れます。

南部ルイジアナ州上院のヒューイ・ロングは民主党内部で反対を唱えました。

富裕層から税で搾り取って人民に分配する社会主義的とも言えそうな政策です。

同時に投票税廃止で黒人にも票を与えることになります。

こうして典型的な南部白人プロテスタントでありながら地元ではカトリックと黒人票も取り込むことに成功します。

民衆の反発を代弁する草の根の政治としてさまざまな政治に広がっていきます。これがアメリカにおける広義のポピュリズム運動となりました。

貧困層や労働者、大衆が社会主義や共産主義ではなく民衆ポピュリズムになったことであって、土着保守、土着リベラルの型をつくりました。

ロングは暗殺されてしまいます。

アラバマ州知事のジョージ・ウォーレスは公民権運動に反対して「人種隔離を」と叫びました。

偏狭な人種差別主義者という印象はありますが、2大政党以外のところで草の根民意の反映しようとした熱血漢ともとらえられました。

どちらなのかは議論されていますが、生粋のポピュリストだったことは意見が一致している。

いずれにせよポピュリズムには反中央政府と草の根民意、反エリート、日常性という共通項があるようです。

あるいは対立や反動を利用した労働者サイドにたった政治手法。またその使い分け。

性格的には感情に正直、疎外者に反応、熱血漢というものを持つ。 

ウォーレスも暗殺未遂にあい車いすになってしまいました。

ウォーレス以後はクリントンとロス・ペローのような反エリート的なポピュリスト対決もありました。

いまでもアメリカ人はポピュリストの人民、反エリート、反ワシントン、ミドルクラスのため、というキャンペーンが好きなようです。

どうも日本で使われている「あいつはポピュリストである」という使い方はちょっと違うような気がしてきました。

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