さっきラジオ聞いていたらシカゴの「 Saturday In The Park」が流れていました。
何のCM?って思ったら三菱地所のパーク・マンションでした。
たしかに、土曜日の公園のほのぼのとした感じのホーンセクションとダンスしたり笑ったりアイスを売ったりの情景の歌詞です。
パーク・ハウスというブランド・イメージに合っていると選曲したのでしょう。
でも歌詞を注意深く読むと、普通の感覚の人なら7月4日、国旗、ブロンズ像という言葉が気になるはずです。
この曲がヒットした1972年はベトナム戦争がちょうど終わる時期です。
この歌も反戦と敗戦、愛国心の入り混じっています。
And I've been waiting such a long time for the day
だから戦争の終結を待ち望んできたわけです。
つまり土曜日の公園は反戦集会なのです。
この曲は、2001年発売のトヨタのブレビスのCMとしても使われていました。
まあ、スレスレな気もしますが、住宅ではもっとひどい選曲もありました。
ジ・アニマルズの64年のヒット曲「The House Of The Rising Sun」を使った住宅会社もあります。
この曲は日本では「朝日のあたる家」という邦題がついていました。
住宅だから「朝日のあたる家」がぴったり、と担当者は小躍りしたことでしょう。
この曲はもともとアメリカの伝統曲で1937年に、ケンタッキー州ミドルスボーロの炭坑で採譜したということになっていますが、1928年にはすでにアルジャー・テキサス・アレグザンダーという黒人ブルースマンが歌っています。
レッドベリーやカントリーのロイ・エイカフ、フォークのウディ・ガスリー、ピート・シーガーがレコーディングしました。
フォーク版はボブ・ディランが歌っていましたし、ジョーン・バエズ、ニーナ・シモン、オデッタもカバーしています。
アニマルズはそれを替え歌でブルースに焼き直したものです。
その歌詞とは、
ニューオーリンズに「朝日楼」と呼ばれる館があったとさ。
そこには、たくさん哀れな若者がいる廃墟。
私もそのひとり。
私は若く、愚かだった。
妹に伝えてほしい。私のようになるなと。
「朝日楼」に来てはいけない。
ジョーン・バエズは少女、アニマルズでは若い男、ディランでは若い女。いずれにしても娼館とか女郎屋、つまり売春宿で後悔する歌になっています。
住宅を売りながらも、ローン地獄や耐震擬装で後悔することのないよう警告してくれていると思えばいいか。
もちろん英語を訳せば「朝日のあたる家」は誤訳で、朝日館とか朝日楼とか訳すのが近いと思う。
ニューオーリンズのセントルイス・ストリートに娼館が実在していたのです。
実際にちあきなおみや浜田真理子のカバーは「朝日楼」です。
でもこれは間違いだという説もあります。
アニマルズ版の歌詞を読む限り「監獄」「刑務所」と訳す方が正しいと。
boyに替えたからかもしれませんが男娼館だと思えば間違いとも言えないと思います。
なお、ポリスのギターのアンディ・サマーズが一時期在籍していて68年にアニマルズの一員として来日しています。
かつてのヒット曲がCMに使われるのは、広告決定権を持つ担当者がちょうどそういう年代になったからでしょう。
きれいなメロディの曲が使われますが、どうせ英語はわかんないんだろうし、時代背景や深い意味なんてわかりっこないと思うのでしょう。これを会議に掛けても誰も気づきはしないだろうし。
こうした突っ込みノリで思い出すCMは、
ギルバート・オサリバンの「Alone Again」は自殺の歌なんですがねえ。
ちなみに、ボズ・スキャッグスの「We're All Alone 」は一人ぼっちではなくて「二人っきり」です。でもアンジェラ・アキは1人として歌っているからややこしい。
野村證券はCCRの「Have You Ever Seen The Rain」。この雨はナパーム弾なのにねえ。
気をつけようっと。
ちなみに、最近ほとんどのCM曲は著作権の関係でモノマネです。
シカゴじゃないよ。AOR畑のボビー・コールドウェル。
(日産のX-TRAILは本物の The CLASH)
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